TOPへTOPへ

大腸ポリープ

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる隆起性の病変です。大きさは1mmの小さなものから数cmまで様々で、主に直腸とS状結腸にできます。
ポリープには大きく分けて、以下の2種類があります。

  1. 非腫瘍性ポリープ(炎症性、過形成性など)
  2. 腫瘍性ポリープ(全体の8割以上を占め、がんになるリスクがあります)

大腸ポリープの症状

多くの場合、初期では自覚症状がありません。ただし、以下のような症状が現れることがあります。

  • 便秘や下痢
  • 腹痛
  • お腹の張り
  • 便が細くなる
  • 血液の混じった便
  • 粘液の付着した便

大腸ポリープの原因・できやすい人

食生活の影響

食生活が大きく関係しています。特に以下のような傾向があります。

    食生活の影響
  • 高カロリー食や肉食(特に赤身肉や加工肉)の過剰摂取はリスクを高めます
  • 野菜や食物繊維の摂取は予防に効果的です

遺伝的な要因

家族や血縁者に大腸がんや大腸ポリープの既往がある場合は、発症リスクが高くなります。遺伝性大腸がんや家族性大腸腺腫症などの遺伝的要因もあります。

生活習慣の影響

以下のような要因がリスクを高めます。

  • 肥満
  • 喫煙
  • 過度の飲酒
  • 運動不足
  • 50歳以上の年齢

大腸ポリープの検査

大腸ポリープは無症状で進行することが多いため、定期的な検査が重要です。主な検査方法は以下の通りです。

便潜血検査

便に血液が混じっているかを調べる簡便な検査です。2日間の検査を行い、一度でも陽性となった場合は大腸カメラ検査をおすすめします。

大腸カメラ検査

大腸ポリープを発見する最も確実な検査方法です。直接大腸の中を観察でき、必要に応じてその場でポリープを切除することもできます。

定期的な検査により、ポリープの早期発見・早期治療が可能となります。特に便潜血検査で陽性となった場合は、必ず大腸カメラ検査を受けることが大切です。3年以上検査を空けてしまうと、進行した状態で発見される可能性が高くなります。

大腸カメラ検査について

当院の大腸ポリープ切除術

当院の大腸ポリープ切除術技術の進歩により、以前は入院が必要だった大腸ポリープ切除が、現在は日帰りで安全に受けられるようになりました。日帰り治療は時間的・経済的な負担が少なく、ご自宅でリラックスして過ごせるメリットがあります。
当院では大腸カメラ検査時にポリープが見つかった場合、その場で切除が可能です。ただし、15mm以上の大きなポリープは基幹病院での治療をおすすめしています。

大腸ポリープ切除の術式

ポリペクトミー

主に茎のあるきのこ状のポリープに対する切除方法です。内視鏡の先端から金属の輪(スネア)を出してポリープの茎に掛け、電流を流して切除します。切除後は出血予防のためクリップで傷を閉じます。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

平たい形のポリープに対する切除方法です。ポリープの下に液体を注入して持ち上げ、スネアで切除します。茎のないポリープでも安全に切除可能です。

大腸ポリープ切除術の注意点

切除後2週間程度は出血(0.6%)や腹膜炎(0.04%)のリスクがあるため、以下の注意点を守ることが重要です。

術後3日間

  • できるだけ安静に過ごす
  • 長時間の入浴や熱い湯は避ける
  • 事務仕事や軽い家事は可能

術後2週間

  • 重い物を持つ作業は避ける
  • 飲酒を控える(10日~2週間)
  • 激しい運動を避ける(テニス、ゴルフなど)
  • 長時間の歩行や自転車を控える
  • 旅行や出張は避ける

内服中の方

抗凝固薬や抗血小板薬を服用中の方は、出血リスクが高まるため、主治医と相談の上で一時的な休薬が必要になることがあります。

大腸ポリープ切除後の食事

術後すぐの食事

消化の良い食事を選ぶ

術後24時間は消化の良い食事を摂ることが推奨されます。

  • お粥、柔らかいご飯
  • うどん、そうめん
  • 味噌汁(具なしまたは柔らかい具)
  • ヨーグルト

刺激物を避ける

香辛料、アルコール、炭酸飲料、コーヒーなどは腸を刺激するため控えましょう。

術後数日の食事

繊維の少ない食材を選ぶ

腸への負担を減らすために、繊維が多い野菜や硬い食品は控えめに。

脂質を控える

脂っこい食事は腸の動きを活発にしすぎるため、揚げ物などは避けてください。

タンパク質を適度に摂取

鶏肉、白身魚、豆腐など、消化の良いタンパク質を取り入れましょう。

術後1週間以降の食事

  • 徐々に通常の食事に戻していきます。
  • 食物繊維の多い食品(野菜、果物、海藻など)は少しずつ増やしていきます。
  • 水分を十分に摂り、便秘を防ぐようにしましょう。
  • アルコールや刺激物は、医師の指示があるまで控えてください。

再発予防のための食生活

バランスの良い食事を心がける

  • 食物繊維を適度に摂取し、腸内環境を整える
  • 発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など)を取り入れる
  • 肉よりも魚を選ぶ
  • 加工食品や過剰な脂質の摂取を控える

大腸ポリープが癌である確率

ポリープは大きいほどがんである可能性が高くなります。

  • 5mm以下:0.3~3.4%
  • 10mm以上:10~30%

当院では、大きさに関わらず将来のがん化リスクを考慮し、5mm以下の腺腫性ポリープも切除しています。過去にポリープがあった方は、定期的に大腸カメラ検査を受けることが重要になります。

大腸カメラ検査について